改造の目的並びに目標

当社が所有している、HVAFの特徴の1つは、高速フレーム溶射(HVOF)よりも燃焼温度が低いことであるが、
問題点も多々ある。

1. ガン内部においては、ガス速度は超音速にならない。
現在、市場に多く出ているHVOFのJP-5000はガンの構造がCDノズル部分を有しているので、
バレルと呼ばれる筒の部分で、ガスは音速を超える。
しかし、当社のHVAFガンではconvergent部分は存在するが、divergent部がない。個人的な見解であるが、HVAFにdivergent部がないのは、有力な施工品であるサーメット皮膜の作製を考慮したためであろう。下にガンの構造のアバウトな図を示す。
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溶射の方向性は、大別すると、溶融させずに皮膜を作製する方法と、完全に溶融して皮膜するに方法がある。前者は未だ成膜メカニズムの全てが把握されていないが、今世紀に入ってトレンドとなったコールドスプレーであり、また、NIMSが数年前にHVOFを改造して開発したwarm sprayもその潮流の中の1つである。後者はプラズマ溶射やフレーム溶射である。
下に現在、市場で認知されているであろう溶射法のガス温度と粒子速度の関連図を示す。
(HVAFに関しては、身贔屓が入ってます)
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今世紀に入るまでは、HVAFはそれなりに温度が低くて、それなりスピードが速い溶射法であったが、様相ががらりと変化してなんとも表現し難い。下の3つが出現したのだから、そうなるのは当然ですな。(AD法を溶射の一部として取り扱うのは異論があるかもしれないが)
というわけで、いきなりのであるのだが、ガス温度を上昇させるのは、ガンの構造の問題もあって困難だし、取り組むメリットもほとんどないので、何とか温度を下げて粒子速度を上昇させるために、当社のHVAFを以下の概略図・写真のように改造しました。(暫定的ではありますが・・・)
概略図
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実物
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改造前のガンはこのような状態。
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改造することに達成したい項目は、
1.飛行粒子の低温高速化
2.それに伴う酸化変質を抑えた緻密な皮膜の作製
(出来ればサーメットまでいきたいけど、とりあえずは銅とチタンがターゲット)
今のところ連続運転が出来る限界まで燃料供給量をさげると、燃焼炎は殆ど見えない状態にはなります。

道のりは相当険しいけどね。

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